【解説】
コンクリートの材料(水、骨材、セメント)に関する規格値と、実務における品質管理上のひっかけを組み合わせた問題です。
各選択肢の解説:
1. 誤り
スラッジ固形分の限度となる分母が間違っています。JIS A 5308(附属書C:レディーミクストコンクリートの練混ぜ水)において、スラッジ水を用いる場合のスラッジ固形分率は、単位水量に対してではなく**「セメント質量」に対して 3.0% 以下**でなければならないと規定されています。スラッジ固形分は微粉末であり、セメントの凝結時間やコンクリートの流動性(スランプ)に直接影響を与えるため、セメント量に対する比率で厳格に管理されます。
2. 誤り
状態の名称と定義が矛盾しています。記述にある「骨材内部の空隙が水で満たされ、かつ表面に水が付着していない状態」は、絶対乾燥状態ではなく**「表面乾燥飽水状態(表乾状態)」**です。JASS 5や土木学会コンクリート標準示方書において、示方配合の基準となる骨材の状態は、この「表面乾燥飽水状態」です。(絶対乾燥状態は、100〜110℃で乾燥させ、内部の水分まで完全に抜けた状態を指します)。
3. 正しい
JIS A 5308(附属書B:コンクリートのアルカリシリカ反応抑制対策)の規定通りです。ASRの抑制対策として混合セメントを使用する場合、認められているのは**「高炉セメントB種・C種」および「フライアッシュセメントB種・C種」**です。A種は混合材(高炉スラグやフライアッシュ)の置換率が低く(高炉で5%を超え30%以下、FAで5%を超え10%以下)、アルカリ総量を薄める効果や、アルカリイオンの移動を抑制する効果が不十分であるため、単独では抑制対策として認められていません。
4. 誤り
塩化物イオン量の限度(0.30 kg/m³)の対象が間違っています。0.30 kg/m³ という数値は、細骨材単体ではなく**「コンクリート1m³中に含まれる全塩化物イオン量」の限度です(JIS A 5308)。細骨材(海砂など)、練混ぜ水、セメント、混和剤など、すべての材料から持ち込まれる塩化物イオンの総量**を計算(または測定)し、これが原則として 0.30 kg/m³ 以下でなければなりません。細骨材単体での塩化物イオン量は、JIS A 5005において「0.04%(質量分率)以下」などと別途規定されています。
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